電子調達システムで業務を抜本改革
福岡県が電子県庁推進計画を策定したのは2001年(平成13年)。この計画で行政サービスの向上、内部事務の効率化・高度化、IT活用による事業者の事務負担軽減、事業者の公正な競争環境の実現、などを目指しました。その中核に位置付けられるのが電子調達システムです。
システム化に際しては調達業務の抜本的な見直しを図り、最大効果を上げることを目指しました。電子調達システムは物品購入システム、電子入札システム、物品管理システム等で構成され、外部とのやり取りを行なう電子入札では他の自治体でも利用ができるよう汎用コアシステムを採用しています。
電子調達システムの最大の特徴は集中調達(集約発注)制度の導入(図1)。従来、文房具などの物品購入に関しては、本庁の各課や出先機関(約250カ所)で個別に業者を選び、随意契約で購入しており、県と取引実績のない業者が新規参入することが難しい状況でした。そこで電子調達システムでは、こうした購入事務を本庁の総務事務センターに集中させ、各部署は購入請求をするだけで納品される仕組みをつくりました。
「通常の集中調達だと、各部署で行なっていた調達事務を単純に1カ所に集中するだけで、発注に係わる事務量は変わりません。しかし福岡の場合はセンターに集約して一本化し、業者に発注します。その結果、発注ロット(1商品当たりの発注量)の拡大や、それによる調達コストの縮減が可能になりました」(福岡県総務部総務事務センター調達班の宮崎孝臣氏)
つまり、従来は250カ所の出先機関で個別に行っていた物品調達事務を、文房具類に関しては県内を7ブロックに分割した単位で発注し、総務事務センターで一括して契約、支払を行うという方法です。これによって一般競争入札も実現し、入札資格を持つ業者の参加機会も拡大しています。
「グリーンステーション」効果
この集約発注に貢献しているのが「グリーンステーション」。実は福岡県では従来、購入頻度が高い文房具については総務事務センター調達班で単価契約していましたが、注文だけですぐに商品が届く利便性に富むのがかえって品目数を増やす結果になり、商品情報の管理に多くの時間を費やすようになっていました。また、全庁の調達事務を単に集中化しただけでは事務量の削減にはならず、さらなる事務量の削減のために、アウトソーシングの必要に迫られました。さらに取り扱い製品に関しても、県が直接カタログを編集した場合、メーカーが偏る恐れがあり、メーカーを特定しないカタログ製品(規格品)の電子データが必要でした。かつ、一般競争入札に耐えるよう商品のメンテナンスも欠かせません。
「こうした課題を解決するには、発注ロットをなるべく束ねる方策の検討が不可欠であり、全職員が統一して使える1種類のカタログが必要でした。それを可能にしたのがグリーンステーションだったわけです」(同・澤渡裕文氏)
グリーンステーションの電子カタログ版は現在、集約発注の対象商品カタログとして、職員の購入請求、業者の仕様確認、納品時の検収業務にフル活用されています。
同等品調達は不可にし「GS」に一本化
本庁で単価契約をしていた頃は、500品目もの商品の最新情報のチェックや年間の発注量調査などのために、年度末の多忙な時期の2カ月間を費やさなければなりませんでしたが、それが一切不要になりました。「本庁の約110の部署、出先の250カ所を合計した360カ所で同じような購入をしていたのを一括処理できるので、かなりの効率化が実現しました。また担当者によって捉え方が異なるために厄介だった同等品の調達は不可にし、グリーンステーションからしか調達できない仕組みにしたことで、煩雑さが解消されました」(同・企画主査調達班長の堀江恭一氏)
福岡県の電子調達システムは2005年4月から本稼働しています。今後はグリーンステーションの活用を職員に周知し、よりスムーズな物品選択が図れるようにする計画です。 |